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20話 子猫の甘えと、友への告白

Auteur: みみっく
last update Dernière mise à jour: 2025-08-07 07:00:42

 そう言うなり、勢いよくユウヤの隣に座り、さらにそのまま膝の上に頭を乗せて寝転がってきた。小さな体が、まるでそこが定位置かのように心地よさそうにフィットする。

「昨日は睨んできてたのに、今日は甘えてくるんだなー?」

 ユウヤが少しからかうように言うと、ミーシャはむぅっと頬を膨らませた。口を尖らせて、不満げな表情を浮かべる。

「だってー……知らない人が、勝手にわたしの家に入ってたんだもんっ」

 その言葉に、ユウヤはふと表情を和らげた。

(……そりゃそうだよな。両親を亡くして、家を追い出されて……大切な思い出の家に場所に、知らない奴がいたら、そりゃ不快な思いもするよな)

 ユウヤは、ミーシャの気持ちを改めて理解した。彼女の中にある寂しさや不安が、少しずつ言葉になって現れてきているのだと。

「……ごめんな。驚かせたよな」

 ぽつりとそう言うと、ミーシャは小さく首を振った。

「ううん。今は……ユウちゃんがいて、よかったって思ってるよ」

 その声は、どこかくすぐったくなるような優しさを含んでいた。

「そりゃ……睨みたくもなるよな」

 ユウヤが優しく言葉をかけると、ミーシャは少しだけ視線を逸らし、照れたように笑った。ネコ耳がぴくりと動き、ほんのりと赤く染まっているのがわかる。

「ごめんね~? でも……ユウちゃんなら、住んでもいいよー」

 その言葉は、まるで許しと歓迎を一緒に包んだような、柔らかい響きだった。

「そっか……じゃあ、一緒に住もうな」

 ユウヤが微笑みながらそう返すと、ミーシャの顔がぱっと明るくなった。

「うんっ♪ 一緒に住むぅー♪」

 ミーシャは嬉しそうに笑いながら、ユウヤの膝の上でくるりと体を丸めた。まるで、ようやく安心できる場所を見つけた子猫のように。

 その小さな背中を見つめながら、ユウヤは心の中でそっと誓った。

(もう、ひとりにはさせない)

 膝枕をしていたミーシャが、俺の背中に腕を回してきた。お腹に抱き着いてきたので、ミーシャのサラサラの銀髪が俺の目の前に来たので頭を撫でると癒やされた。その温かい感触に、心が和む。

「はぅ……♡ひさしぶりに頭をなでられたぁー♪あぅ……みみだめぇ〜♡くすぐったぃ……んっ……キャハハっ♪」

 ミーシャは、ユウヤに頭を撫でられて、気持ちよさそうに声を上げた。

「ごめん。獣人の人と仲良くしたの初めてで……耳は触っちゃダメなんだな。覚えておくな……」

 ユウヤは、ミーシャの反応に少し驚き、謝罪した。

「ううん。べつに……んっ……ユウちゃんには……いいけど、……ちょっとくすぐったいのぉっ。……もっと、なでなでしてほしい、かな……」

 ユウヤの言葉に、ミーシャはふっと肩をすくめるように身を縮めた。 頬に朱が差し、伏し目がちに視線を泳がせながら、 どこか甘えるような声音で、恥ずかしそうに返事を返す。 その表情には、照れと嬉しさがまざっていた。

 初めて獣人の子と触れ合っているので、耳が気になるのは仕方ないだろ……。

 なるべく触らないように頭を撫でていると、安心したのか寝息が聞こえてきた。昨日は、夜遅くまで起きてたしな……しばらく寝ているミーシャの頭を撫でて起きるのを待っていた。

「ふぁぁ〜……ユウちゃん、おはよぉ〜……」

 ミーシャが目をこすりながら、のんびりとした声で挨拶してきた。まだ眠たそうな瞳がぱちぱちと瞬き、ネコ耳もふにゃりと垂れている。

「よく寝てたなぁ」

 ユウヤが笑いながら声をかけると、ミーシャはユウヤの膝の上でくるりと丸まりながら、えへへと照れたように笑った。

「えへへ……気持ちよくて……つい、ねちゃったぁー」

 その声はどこか甘えているようで、ユウヤの胸にほんのりと温かさが広がる。

「俺は、そろそろ友達を呼んでくるな」

 ユウヤが立ち上がりながらそう言うと、ミーシャは小さく首を傾げた。

「あぁ〜、きのう一緒にいた子?」

「そうそう。アリアっていうんだ」

「わかったぁ……」

 ミーシャは、素直に頷いた。まだ眠気の残る顔で、けれどユウヤの言葉をしっかりと受け止めている。その様子に、ユウヤは思わず微笑んだ。

 森が近いこともあり、念のために家の周囲に簡易結界を張ってから、ユウヤは転移魔法で村へと向かった。目的は、アリアを迎えに行くこと。

 転移の光が収まると、すでに待ち合わせ場所にアリアの姿があった。

「アリア、早いな〜」

 ユウヤが声をかけると、アリアは少し照れたように笑った。

「えへへ……楽しみで、早く来ちゃった」

 その笑顔は、どこか無邪気で、けれどどこか期待に満ちていた。

「……あのさ」

 ユウヤは、少し言いにくそうに前置きしながら、ミーシャのことを話し始めた。彼女の境遇、家族を失ったこと、そして今の生活のこと――。

 アリアは、いつものような軽い反応を見せることなく、静かに耳を傾けていた。話が進むにつれ、その表情は徐々に曇り、やがて目元が潤んでいく。

「ふぅん……」

 小さく息を吐いたアリアの声は、どこか震えていた。

「そっか……うん。わかった。それは……仕方ないよね。可哀想だね……」

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